🍑紅梅は夜に香る

表紙画像は紅秀麗と紫劉輝 明るい色の表紙がかわいいです。
任地の茶州から王都へ帰ってきた、彩雲国初の女性官
吏・秀麗。
しかし久々の故郷に喜ぶ間もなく、彼女はある出来事
の責任をとるため、高位から一転、冗官として再出発
することに!
しかも、一時登場禁止を言い渡された秀麗は、街で自
分にできることを探し始める。
周りの皆に見守られつつ、ガンバル秀麗だけど、突然
ヘンテコな貴族のお坊ちゃまに求婚されて!?
またもや嵐が!?
超人気シリーズ、満を持しての新章開始!!
(表紙より)
お試しください
ご存じの方もいらっしゃると思いますが
スマートフォン等で見ていらっしゃる方は
単語を長押ししていただくと
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目次 題名をクリックすると本題へ ← ボタンを押すと目次に戻ります🐱
「鄭悠舜」
王の声に、悠舜は椅子に座ったまま両の手を組合わせ
、軽く頭を垂れた。
「茶州での功績を鑑み、そなたを尚書省尚書令に叙し
、以って一の宰相にしたい。
どうか」
「条件を受けていただけますならば……
その声があんまり穏やかで優しかったので、その場の
誰もが彼が何を言ったのか、とっさにはわからなかっ
た」
王自身も面食らった。
「……条件?」
「はい」
悠舜はにっこりと微笑んだ。
そしてついと指を折る。
「第一に、民を治めるにあたり仁義を重視すること、
第二に、むやみな戦を慎むこと、第三に単に大貴族だ
からと権限ある地位につけないこと、第四に法にない
官位を勝手に増やさないこと、第五に陛下のご威光を
笠に着る者の不法を厳しく取り締まること…」
やわらかな、けれどきっぱりした言葉がその場に並ぶ
重臣たちに響きわたる。
霄太師は面白そうに口の端をゆるめ、宋太傅は口笛を
吹きそうな顔をした。
「第六に、賄賂の道を塞ぐこと、第七に税金による道
寺や離宮など無駄な造営をしないこと、第八に君臣の
礼を明らかにするとともに、臣下に対して礼をもって
遇すること、第九に諫言の途を広くひらくこと、第十
にこの先、陛下のご婚姻に際してできるであろう外戚
の政治介入を決して許さないこと……」
悠舜の十の指がすべて折られた。
旺季(門下省長官)
珀明はなにやらわざとらしく咳払いした。
次いで、真面目な顔つきになった。
「…碧家は、芸能の一族です。
昔から、書・楽・舞・工匠…あらゆる技芸・芸能を守
り、育ててきました。
門外不出の秘伝、一子相伝の極意も多々あります。
それを伝承するために、他家よりも閉鎖的なのは事実
です。
中央政事と距離を置き、それでいて、世論操作や民意
の洗脳のために、碧家は何度も王や他家に利用されて
きました。
それに抗って、信念のもとに散っていった文人は数え
切れません。
だからこその情報非開示なのです。
もう、失うわけにはいきません。
――碧幽谷自身が、碧一族が守るべき当代最高の『碧
家の至宝』なんです」
・―・―・―・―・・―・―・―・―・・―・―・―・―・・―・―・―・―・
「……あー、あんた、紅秀麗だよな。
朝廷でたまーに見かけたことあるし」
「あ、はい。
そうですけど……?」
朝廷で、ということは、官吏のようだ。
けれど知らない顔に首を捻ると、男はあっけらかんと
言った。
「俺さー、あんたにガツンと結婚申し込んでこいって
言われたんだけど」
秀麗は理解するのに相当かかった。
そのうしろで慶張が凍りついた。
「……くそー。
それで役目をまっとうして、家に帰れるはずだったの
に」
秀麗はゆっくりと五数えた。
ここまで待ってみたが、この男は肝心なことを話して
いない。
「で、あなたはどこのどなた様なんですか」
すると彼は初めて目を丸くした。
「……あー、もしかして名前書くの忘れてた?
榛蘇芳っていうの」
「人違いじゃなくて、ほんっとうに私に求婚しにいら
したんですか」
「そうだよ。
親父がガツンと求婚してこーいっていうから。
なんか、あんたをたぶらかして結婚すれば、どこぞの
エライ貴族から金と爵位がもらえるんだと」
榛蘇芳(タンタン登場)歌梨(胡蝶の友人)
――そのくらいの意地と矜持は、秀麗にだってある。
シュウランの言葉。
あのときの突き上げるような胸の熱さ。
思い出して確かめる。
ご褒美は、あれだけでいいのだと。
思った最高の一瞬を。
もう一度つかむために。
「頑張ってよかったって思えるときがあるから!
強がるんじゃないの!!
一回折れたら、立ち直るのって大変なんだから!
一回でも『もーいっか』なんて思ったら、それっきり
ズルズル行っちゃうんだから!
口だけでも偉そうなこと言わなくてどうすんのよ!
カッコなんてつけるわよ!
夢なんて見るわよ!
決まってんでしょ!
自己満足だって言われよーが、なんかできることやら
なくてどーすんのよ!
ただでさえお邪魔虫なら、余計ゴクツブシ扱いされる
に決まってんじゃないの!
顔あげつづけるために必要なのよ!
毎回ガケップチにいるってのに、ノンキに『意味ある
』頑張り機会なんて待ってらんないわ!」
腹に一物あるひとに、私は決して本音は言いません。
言えないように育ちましたからね。
まったく君は正直なひとですよ。
貴族官吏にしては、ずいぶんと根がまっすぐです」
「……俺が?
まさか。
ふつー以下だと思うけど。
紅秀麗みたいになんかに必死になったりしないし、長
いものには巻かれるし、親の金で遊んでるし、頭悪い
し、仕事しないし」
「人として、まともな感性をもっていると言ってるん
ですよ。
長いものに巻かれたり、親の金で遊んでることを『ふ
つー以下』だと思ってるわけでしょう。
なかなかいないんですよ。
貴族で、官吏で、あなたの歳まで、そう思ったままで
いられるひとは」
「夢なんてさー、他人にとっちゃ、迷惑でしかないじ
ゃん。
だって叶わないのを叶えるのが夢だろ?
自分のワガママで絶対何か踏みつけてるワケだし。
あんたを心配してた、あの三太?
ってやつとかさ。
他にもいるんじゃないの。
誰か、そーゆーやつ。
そんでも君はさー、上しか見ないってガンバッテるみ
たいだけど。
それってどーなの?
偉くないよね、全然」
「ほら、タンタンと一緒だと、静蘭も冗談なんか言え
るくらいおしゃべりになるし」
その言葉こそが冗談に聞こえる。
「やだよ。
どーせまた引っ張り回されておっかない家人にタケノ
コ投げつけられるんだ」
「ええ?
何言ってるの。
静蘭はそんなことしないわよ。
ねぇ?」
「もちろんです、お嬢様。
何か悲しい誤解があるようですね」
「……あのさー」
蘇芳がさすがに何か言おうとした瞬間、静蘭から殺気
を感じて、口をつぐんだ。
(……ああ……長いものに巻かれちゃったぜ俺……)
タンタン、現実の厳しさを知る青く切ない春の日。
「『こんちくしょー! 謹慎? ふざけんなよ!!』」
……それを耳にした、その場の誰もが静まり返った。
タンタンは今頃くしゃみをしているかもしれないと思
いながら、秀麗は笑った。
なかなかいい言葉を教えてもらった。
色々なものが全部詰まっていて、叫べば昊に放り出せ
るような。
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